迷惑じゃないよ、気になって声をかけたのはわたしだもん。
それで、女王様の国はなんの国なの?
[なんだかとても調子を崩されるな、と思いながら話を続ける。
「国を作る」と言われれば、それはある目的の為に人が集まるという事で。
少なくともアリシアはそういったイメージを持って訪ねたのだが、女王様は特に考えていない様子。
ではこの女性は一体、何のために彼女を女王にせんと企んでいるのか。まさかアイドルとは言わないだろうな、と内心で疑いつつも。]
……それと、本当にアイドルなの?
[と思っていたのだが、つい聞いてしまった。
言い訳をさせてもらうと、女の子であれば仕方のないことだと思う。アイドルに憧れこそしなかったが、歌って踊るというのはあまりに別世界のことで生前に見た時は心が揺れ動くこともあったようななかったような。
白状するが好奇心を抑えられなかった。機械がアイドルになる国というのは、なるほど確かに知らないような気がして。
近いようで遠いオクリビの心情など、今は気に掛ける余地もなく。ましてや遠くで聞いている誰かの事も当然に気付かずにいるのは、困惑の大きさのせいという事にできないだろうか。無理か。そんなに都合よくはだめか。]