[二つほど聞こえた名らしき音の、どれを名と表現すればいいのか。>>398
スタッフの女も、連れ立つ女もしばらく悩んだ。
しかし、呼ばれたと言う言葉を頼りにするのならば、"タエナシ"なのだろうかと、女たちは視線で会話をする。
しばらくして、スタッフは端末に何かを打ち込むと、男に手渡されたであろう電子キーに"タエナシ"の名が刻まれた。
それを確認した女は息をついたが
隣の男からの言葉>>399にしばしば瞬いた後、笑みをもって応える]
―――ペリエ。
それが私の名前です。タエナシさん。
これで、お互いに自己紹介できましたかね?
[紹介しあうのが今更というのも笑える話かもしれないが
女は伝えてすぐに、再び男の手を取り歩き出す。]