[座標特定、X軸Y軸は、現在はあるスラムの一角。
地下室があるであろう建築的、右手座標系マイナスZ軸は、その真下。
保管方法、確認。
低温状態での完全コールドスリープ。
つまりこうだ、「レイ・カノコ」の「肉体」は生きている。
中身は無い、空っぽだ。だが資料上は生体反応を残した保管方法を取っている。
後で何に使う予定であったのかまでは記載されて居ない。と言うより、する前に「シンギュラリティ」は無くなってしまったのだろう。
完全に宙ぶらりん、管理する者すら居なくなった検体は今も眠り続けている。]
ふふ、では
アリアから捜索隊を出すか
[嗚呼なんて面白いのだろう。自然と笑みがこぼれる。
スコップや重機片手、皆で遺跡発掘宝探しと洒落込もう。
何、すぐ見つかるさ。「レイ・カノコ」のカルテには、ご丁寧に地下室の設計図及び、内部に有るであろう機材の詳細も付いていたのだからね。
世にも珍しい検体を、自分も一目拝みに行こうか。
探し当てた者としては、きちんと最後まで見届けなくては。]