―とあるマフィアと―
[屋敷に招かれざる客が訪れることは、たまにある。
空き巣だったり、子供たちに度胸試しだったり、いろいろ。大抵は丁重にお帰りいただくのだが、その日は少し違った。
真夜中、ガラスの割れる音で目を覚ます。警戒しているグリムを祖母の部屋に置いて、耳をそばだてる。話し声からして、少なくとも3人はいる。
気配を殺して近づき、様子を窺う。
その手に持っているものを見て、ついカッとなってしまったことはあとで反省した。
明かりを点けて、目が眩んで慌てている不審者たちをボコボコにした。というか、子供にボコボコにされるような人たちだった。
「俺たちはマフィアだ!」とか「ボスに言いつけてやる!」などと喚く口を蹴とばす。]