……カサブランカの皆にも、伝えておくわ。
貴女はちゃんと幸せだったし、
「入らなかったからこその今」がある、って。
[リリオの女たちだって、彼女たち自身の身の上も含めて、表も裏も様々な立場の女たちがいると解っている筈。
それでも罪なき少女の身に起きた出来事と、何より自発的に見捨てたことで(繰り返すが、先に引き取りの話を取り下げたのはあくまで「夜の女王」側だ)、勝手に「自分たちが不幸にした少女」の物語を描いてしまったのだろう。
オクリビの記憶の中にもあったそんな物語は今、「幸せな少女」の物語として上書きされている。]