[「お互い、大切なものを守れるといいね」>>410。
アリシアのその返答に、オクリビも確りと頷きを返した。
こうして一度自分からの話を止めた後、アリシアのくちびるから「ズィーと出会った時」の言葉が零れるのが聞こえた。
少女の指示で時計を確認する部下たちが、遅刻を恐れる白ウサギのような顔をしていないかも気にかかったが――。
この機械の女は「今こそ良い機会」と判断し、再び口を開いた。]
そうね、ズィーに会いに行った訳は……
最初は本当に、興味本位だった。
こんな薄暗い街に似合わない、キラキラした少女の夢に
年甲斐もなく惹かれてしまった、ってくらい。