[鼻腔を抜ける葡萄酒の香りに僅かに酔いを回らせれば、男の続く言葉に怪訝そうな表情を向ける。>>390 あかく昏く濁った(血塗れの)双眸はこちらを無遠慮に睨め付け、値踏み、その一挙手一投足を見逃すまいと反応を探ってくるが。 腹の探り合いに疎い保父は、視線を交錯させた後、溜息と共に自身の思うままの答えを零した。]