[ 私は部屋に入って、転がる燃料を、 一つ、手に取って。 壁から突き出る筒のような場所に ザラ、と一掴み、いれてから。 筒の隣の、レバーを下げてみせました。 瞬間、部屋内から、ごぅん、ごうんと。 機械の駆動音が静かに響き、 暗がりだった部屋の隙間に光が灯り、 部屋中を、導線を辿り、照らしていきます。 眠った船が、虚ろに目を覚まします。 …今はそれだけ、ではありましたが。 ]