[ 私は敢えて貴方の手を離す。 決して踏み越えて来なかった安寧に足を取られて、 貴方の全てが見えていない、わたしは。 医者という命も喪った。 側近という居場所もやがて失う。 そこに何が残るのか、分かっていて、 それでも──。 ]