ぼく、自分から葬儀屋を名乗ったことは、ないんだよ。
[まわりの人間が、そう言っているだけ。
その方が都合がよかったから、いままで否定をしていなかっただけ。
膝の上で掌を開いて握って、開いて、視線を彷徨わせてから、顔を上げる。
彼は、どんな顔をしている?]
欲しくて庭に入れてるわけじゃないの。
さみしいのも、かなしいのもいやだから、連れて帰ってきているの。
おじさまは、アリアの人たちがいるから、ひとりぼっちにはならないでしょう?
[フィジシャンは、最後までアリアにいる。
そこで弔ってもらえるのだから、ヌルが連れて帰る必要はない。]