─フィジシャンというお目付け役─
[不運だね>>411、と言われれば苦笑する。
確かにそうだ。もしあの日来ていたのがページボーイなら、今頃は既に宿での暮らしに戻っていたに違いない。
だからこそ、確かに攫われうるとは考えていたが、今となっては結果論。
自らの足でページボーイの補佐をしている、と考えていたアリシアにとって、責任というのはどうにも相応しい言葉ではないように感じられて。]
私が逆にお世話することになりそうだけど。
ほら、フィジシャンさんが突然敵の本拠地に飛び出さないようにね。
[だからそんな軽口をたたくのだ。
公爵の忘れ形見とて私は私。不運を呪う暇なんてないし、あなたにもそんな時間はあげないとばかりに。]