良く在れとは思うけどな
だけど、本当に「良く」なっちまうような日には、
もうそこはトループじゃねェのかもしれない
俺らの知らねェ、全然違う世界だ。
[表も裏も平等に生きて、表も裏も平等に食い繋げる世界。電脳化が無くなって平和になるトループ、もしくはそれが裏技術としてではなく、正しく世界に広まる未来。そんな「良い」世の中っつぅのは果たして俺らの知ってるトループなのだろうか。
いつか誰かが言っていた「青空の下でピクニックできるような世界」は、俺らの知ってるトループなのだろうか。]
……ま。
そうだな、でもこのまま変わらねえのも面白くねェ
国内もそうだし、隣国に対してもそうだ。
[大人が子どもを叱る。子どもは財布を返しながら、しゅん、とした顔を向けている]
……逆転する世の中も、悪くねェな。
[その隙に、周りの子どもたちが大人の荷物を搔っ攫っていく。大人はそれに気づかずに、財布を返す子どもは俯きながらも微笑んでいる。
今日も、安酒は旨くて不味くて、この世界は良くも悪くも変わらない。**]