[ 後日オレが彼女に伝えたのは、 彼女を定期的に派遣するという決定だけ。>>460 カルテは貴重な資料でもあるだろうし、と無言で返した。 感傷を話し合うより先にできることが、 互いにあると思ったからな。 薬品の不足は解決策が見つけづらいが、 手術の物資不足なら何か対策があるんじゃないか── そう考えていたことも、言葉にはしなかった。 手が打てると決まったわけじゃない。 何もできないかもしれない。 ただでさえ重圧の重い任務を独りでこなす彼女に、 不確かな希望を与えたくはなかった。 ]