[昔から手先は器用だった。
例えば少しがたついた農具や移送ステーションの残骸から持ってこられたうんともすんともいわない計算機。
ちょっとしたものを直すのが楽しかったし、
直ったものの持ち主の喜ぶ顔を見るのが好きだった。
将来は城で技師になって、街灯やら城の明かりやら。
或いは兵士らの武器なんかを
治す仕事につけたらいいなと、幼馴染に話したことがある。
その時に、尋ねられたことがあった。]
『自分で何か、作らないの?』
[――資源は貴重で。中々そういったのは難しいと思うと
その時は答えたと思う。
道楽者か余程資源に余裕があるのなら、
そういったことをしてみるのも楽しそうだけど。などと、
告げる己に、幼馴染はそっかぁと少し残念そうに呟き。]