[皮肉なものだ。
城下町にいた頃できなかったことを。
することが難しいだろうと言っていたことを。
今、己は毎日自分の気の向くままに行っている。
材料は移送ステーションを漁れば出てくる。
それらをこっそり持って帰って。色々なものを手直しして
その際に使わなかったりあわなかったパーツを組み合わせて
色んなものを1から、作り出す。
この世界で工学に携わる者は大体が、
科学の残滓を修繕する方面に特化した者が多い。
農業と違い、過去の残骸には限りがあるからだ。
城に卸すものに、自分が1から作り上げたものを混ぜても
ばれなかったのは中々に愉快であった。]