血の太陽はいまだ沈まず
[不意を突く弾丸
>>523。彼女の足を貫き舞う血しぶきは、とても気分の悪いもので。しかし恐怖というものはおくびにも出さず、つとめて笑って見せる。]
あは、恥ずかしくて怒っちゃったんだ。
慰謝料なんてそんな。雷に打たれたり自分で蹴躓くような、事故にあった人を助けてあげるお金はうちには無いよ。
[打たれた部下には「ごめんなさい」と、小声で支え。他の部下を呼び下がらせるだろう。
そうしている内、少年声に戻った男が敵意なく追い払うような仕草を見せる。少女の声も少年の声も大して変わりないじゃん、という本音の方の煽りは可哀そうなので心の内にしまっておいた。
そうして、彼の捨て台詞を聞けば、振り返り。
姿の見えない、しかしどこかで聞いているのであろう彼に。]