[ありえるかもしれない未来の話。
機械の私を気味悪がらず、恐れる事もなく。
たくさんのお客さんが、私を受け入れてくれて。
やってくるお客さんは千差万別。
甘いものが好きな常連さん、酒癖が悪いけど優しい常連さん。
陽気でいつも自由に生きている、変わらない変わる人。
眩しい女王様とその第一の臣下にしてアイドル。
もしかしたら、少しヘンテコな太陽の彼もいっしょに来たりするかもね。
共通の知人を持つ、最近親しくなったあの人。
そして、唯一無二の彼女。
たくさんの別れが私を待っている。たくさんの変化が私の前に降りかかる。
それでも──変わらない物もある。たとえばこの宿から、今を知る人が私以外にいなくなったとしても──
私は知っている。
この幸せを覚えておこう。それがきっと不変の物が持てる、たった一つの、特別な役割。
それがきっと、私の幸せなんだと思う。**]