[ あの頃の私は、君たちに優しかった。 君が物を直す時に指先を怪我することがあったなら 着なくなった衣類を割いて、患部に巻いて、 「いたいのなくなれ」のおまじないをして。 楽しかったさ、純粋に。 姉として弟二人を見守り、仲良くなるのを見つめ、 時に君の兄と「弟あるある」を話したりもして。 ああ、私は確かに、楽しかったんだ。 幸せ"だった"んだよ。……私だって。 ]