[ とはいえ、明るみになった希望の灯への食いつきは
些か、その、……子どもめいたものというか
王が目を瞠る程度には、珍しい勢いだった。>>843
医者としても側近としても喜ばしい報せだったのだから
制御出来るものではなかったんだ。…お恥ずかしい。
こんな姿、王には一度も見せたことは無かった。
"側近たるもの斯くあるべし"という風に毅然とし
救える命の選別をする者として、背中を伸ばし
常に凛とした私であるように努めていたから。
色んな顔をころころと見せてくれる王とは対照的に
常に一定であるよう心掛けていた私。
それが崩れた様を、可愛らしい、なんて
……そんな風に王が思ったと、もし、知れば? ]