[ 待ち望んでいた物資の手配を終え、
オレが馴染みの靴音を立てて玉座の間へと戻ったとき、
そこは当然無人──のように見えた。>>915
だがなんとなく玉座の位置がズレている気がした。
よく見れば壁との間に隙間があるように思える。
玉座といっても所詮は豪華な一人掛けソファ、
動かすことはたやすい。 ]
誰かいるのか……?
[ オレは玉座に歩み寄り、裏側を窺いながら尋ねた。
不審人物なら部屋の前や他の場所の衛兵が捕らえるだろう。
誰か潜んでいるとしても、ここまで来られたということは
オレの愛し子、のはずだが。 ]**