― 回想・子守唄といばら姫 ―
『――・・・ください。
さぁあさ、起きれますかお師匠さん。お師匠さん!』
[その声に、次第に意識が覚醒して。ゆっくりと起き上がる。
少しばかり身体が重い、しかしそれは病気とかではなく。しばらく動かなかったせいで身体の動きが鈍く感じる。]
・・・△△ちゃん、私、どれくらい意識なかった?
『丸1日と半分ですね。ちょっと薬効が強すぎたんじゃないですか。』
[そう、と小さくうなずけば、深呼吸する。
全身麻酔の理論は構築した、後は実践のみ。]
そうね、大体1日程度に抑えられれば、治療中の覚醒もなさそうだし、身体への負担も少ないかしら。
『お師匠さん、なんで、自分の身体で実験するんです?
もし、このまま、起きなかったら。僕たちはどうすれば良いんですか。』
[頑なに他への臨床実験を拒む魔女への抗議。怒るのは分かる。けれど。]