最後に、私の身をご案じくださりありがとうございます。
私は少し、あの時の亡霊の王に引きずられていたようです。
「役者は役に呑まれるな」と自戒しております。
王はその孤高と孤独故に、世界のみならず自らをも憂い嘆く闇に落ちました。
けれども私には確かに、道を共にする仲間も、支えてくれる仲間も、夢を語る友も、愛してやまぬ者もいます。そのことを胸に銘じて日々を過ごします。
(閣下の御親戚の子も、確かに私を支えてくれる仲間の一人だったんですね。
もし次に顔を合わせることが叶えば、直々に御礼を伝えようと思います)
私が目にした“ 悔恨 ”と“ 覚悟 ”を抱く、“ 赤獅子 ”閣下のもとにも、多くの人々の支援や慕う心があるものと思います。
そんな閣下に、私からも、ご武運をお祈り申し上げます。
高潔なる騎士に朝露の光を差し示され
城の棘を断ち切らんと欲す、亡霊の王より