(部屋に響いていた「亡き王女のためのパヴァーヌ」の音が止まり、泣きそうな顔であなたの方を振り返る)
試すようなことをしてしまって、本当にすまない。
君の言葉が、優しさが本心じゃないかもしれない――そんな可能性を心のどこかで想像して、君に向き合わず、自分ばかり守っていた。もし本心だったとしても、君は誰に対しても優しいからって言い訳して。君の言葉に一喜一憂して、君の隣に私ではない誰かがいる未来を考えると苦しくて仕方がなくなっているのにな。馬鹿だろう?
(自嘲した笑みをこぼした後立ち上がって近づき、躊躇しながら震える冷えた手であなたの指先を握り)
テンガン、君と幸せになってもいいのだろうか。
ずるくて面倒臭い私に、君の人生の時間を分けてもらっても、いいだろうか。
君が、好きだ。
あの雨の日からずっと君がわたしの心の中にいる。
友人に戻れないのは、きっと私の方だ。
(涙を堪えるように微笑み、真っ直ぐにあなたを見つめる)
——私を、君の恋人にして欲しい。