[ 此を飲めばまた、血液を飲める。
唯その期待は、この魔物が疑いもなく此粉薬を溜飲するに充分な理由だった。
確かに眠くなりはしなかった、しなかったが。
大丈夫かと問われているのは分かっている。
倦怠感が渦巻き、口を開くのも億劫だ。 ]
────う゛ぅぅ………
[ 獣のような唸り声を漏らしながら、腕の辺りに感じた支える手に、凭れるように身体を傾けた。
このまま倒れ込んでしまった方が楽なのでは、そう考える程に気怠い。
自身が気付かぬまま、ちらちらとウロボロスの容貌が変化する。
人化が柔く解け、漆黒の鱗に包まれた姿がチラ着く。
半端に解ける其れは、人の姿と交互に見える。
彼はコレを、現実だと捉えるだろうか。 ]