[…少女が消えたあと、ラピスのその両腕には彼女が残した望遠鏡が残っていました。これもまた、ある意味一つの『彼女の落とし物』なのでしょう。
ラピスは望遠鏡を大切に大切に抱きかかえます。
ラズリが残した『忘れ物』同士、身を寄せ合うように。
彼女がまたここに来てくれる日を待ち続けるために。
…少年は、レオーネに心の中で訪ねます。
パレードの邪魔をしてはいけないので、
こっそりこっそり、静かにと]
レオーネ様。僕、無くしものを見つけました。
けど…また生まれ変わったら遊ぼうって、
約束をしてしまいました。
僕らはまたラズリの『忘れ物』になりました。
……あの話。僕の魂を回収して…ここで働かせてもらえる話は、まだ、有効でしょうか?
現実世界では、もう廃棄されて、あとは潰されるのを待つだけなら…寂しいまま何もできないままならば…
それなら、この世界で…たくさんの人の胸の穴を暖めてあげて…そんな魔法使いになって…ラズリが、僕達に会いに来てくれるのを待ちたいんです。…どうでしょう…?**