私にも、まさかあの人 差出人から報復を受けると予想もせず行動していたという落ち度はあります。
それでも、秘密裏にでも事態の収拾に動き、一座への誠実で合理的な対処を軍の者に命じたあなたに、けれど結局私は守られなかったのだと。
己の所為だと悔やむくらいならば何故迅速に動かなかったのかと、そんな呪いが口を吐きそうになるのです。
これまでも“ 赤獅子 ”閣下が、数多の星と弱者とを救ってくださったように、私のことを今からでも守護する意志が閣下におありならば。
私が一座と共に再び舞台に立つために、この身の安全を保障してほしい――この願いを叶えていただきたいのです。
ですがこの願いが叶わぬなら。
私はアッサでのあの舞台と同じく、亡霊の王へと変じて、己が身と閣下とを呪い続けましょう。
あなたは数多の命を預かり、また命を奪いもする将として、その程度の覚悟くらいおありでしょうから。
棘の城に囚われ、夜ごと呪詛を吐き散らしながら、
朝露の光を求めて涙を落とした亡霊の王より