(箱を開けてプレゼントの中身を確認し、言葉の代わりに息を吐く。それは寒さに震えた吐息とも違っていて、ただ気持ちが溢れた証のように見えただろう。手袋に指を通して肌触りの良さに驚きつつ、何度か手を握っては開く。身につけた手をあなたに見せて顔を綻ばせ)
ぴったりだ。君が選んでくれたってだけできっと何倍も暖かい気がするな。似合っているだろうか?
外に出かけるときは毎日つけることにするよ。これがあれば寒い冬も平気だろう。
(立ち上がって歩きだそうとしたところで片手を握られ、少し驚きながらも、自然と微笑みが浮かぶ。繋がれた手から伝わる温もりに、胸がじんわりと満たされる感覚を覚えながら、小さな声で言葉を返し)
私も、君の手が恋しくなっていたところだった。
(目を伏せて少しだけ手を握り返してか、照れ隠しのような微笑みを浮かべてあなたを見上げ)
君といるときは片方だけあれば十分みたいだな?
(帰路に着く足取りは穏やかで、ゆっくりだ)
(分かれ道で足を止め、名残り惜しそうに手を離す。が、すぐに思い直したようにあなたの手を引き寄せ、背伸びをして唇をそっと重ねる)
……まだ、手を繋いでいたい。だから、その、
(もう一度口付けて、手のひらをなぞるように指を絡ませる。瞳を揺らしながら、掠れた声で囁くように)
もう少し、付き合ってくれないか?
(二人がどちらの道を進んだかはあなた次第だろう)