[かすれがちながら”ずるい”とリトリコが声を漏らしたのが聞こえた。受けて目は細まり、口元も笑みが浮かんでしまう。
俺がリトリコに高揚するように、彼女も俺に興奮してくれていることの表れだ。
嬉しくないわけがない。
どうやら、俺の匂いはそこまで気にならなかった>>-70らしく、ほっとする。
水浴びしたっていいけれど、今はもどかしかった。それに]
そっか、リトリコも俺と同じに汗かいてるかもしれないね。
…俺も、リトリコの匂いは好きだよ。
[いつもは香水か何かつけているのだろうか。あるいは元々の香りか。いつも近くで感じるその柔らかな香りを強めに、確かに感じて一度息を吸い込んだ。]
……うん。…好き。生きてるって感じがする。
[遠くから見るだけでない、触れ合いたいと思い、触れ合える人。
この匂いは多分その証。そう思った。]