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[厨房の床につけられた扉から、地下へと降りる。
静かな石造りでできた空間に、ポタリ、ポタリと響く音。
それは水音。規則的に、聞こえてくる。
手に持った蝋燭で燈りを灯す。
中央の石台に横たえられた人間が浮かび上がった。
黒いズタ袋を頭に被せられたそれはピクリとも動かない。
頸動脈を掻っ切られ、そこから血を流し続けて枯れ果てた。
その下には血溜まりの桶。
失血による死を迎えた。それは鮮度が落ち始めることを意味する。
主人はそれを嫌がった。]
さて……。
[スピード勝負。だけど焦っても仕方ない。
一人で行う重労働。フィードバックはないのだから。]