>>72フェイちゃん
っ?!
[男は息をのみました。ひどく乾ききった口に、生暖かいような風が通りました。
何度か首をふって漸く、1つ2つと言葉が出てきます。]
何を…一体、何を言…ってるの?
俺ちゃんは…探して、たモノを聞…いたんだよ?
子供……って、なに…相、手は…?
へ、へぇー?フェイちゃん彼氏がいるんだー…
[無駄な問答を酷く混乱した頭で続けます。
あなたに頬を触れられて、蛇に睨まれた蛙のように動かなくなりそうな身体が叫んでいるからです。
"逃げろ"と。
その嗤う唇からは目を逸らして、逃れて。
朱を想起させるそれは…"どこかの朝"で見た…あの…]