……う゛…ェッ…… !
[ぱしゃ…と小さな水音をベンチの横へと落としました。
頭の中。閉じ込めている蓋を割れそうな強さで、誰かが叩くような頭痛、そして焼けた喉を無視して、無理して。頭を何とか回します。
"そんなヨクナイことをさせてたまるか"と。]
[ICレコーダーの方はどうやら起動可能までもう少しでしたが、スマホはさらに時間を食いそうな様子。
出来ることなら、両方回収したいがやむを得ないかもしれません。
幸いあなたには黒い紐を抑えられていないことを確認して、男はタイミングを図っていることでしょう。
そう、ベンチの下へ置いてある、魔力をたっぷり込めたシート―――警護団直通の窓に転がり込めるその時を。]