お前にとって重要な物を取って来てやった。
それに……。
[貴方の頰に手を当てたまま、微笑む。
それは得体の知れない恐怖を感じさせ、同時に温かく、心に染み入るような慈愛に満ちた物だった。]
お前の最期の望みを…私が叶えてやっても良い。
[その脳裏には何時か見た碧い鳥の姿が過ったかもしれない。
微笑むその姿は、警戒をしている様子が全く無い。
しかし、隙だらけに見えても隙が無く。僅かな動きにも瞬時に反応するだろう。
片手で握った電子機器は力を入れれば簡単に握り潰せる。
何かを謀ろうとしても、人間如きに出し抜かれる様な事はしない。
目を細めて笑う。
その瞳は挑戦的ですらあった。]