この気持ちはなんだろう、とひとり思う。
これまで幾人もの愛、魂を奪ってきた。それは悪魔として存在する自分の性質であり、また仕事でもあった。
楽しそうにレモネードを飲むプラムのほうを見やる。
神に会ったことがあるだの、おかしなことを言う男だ。
しかし宗教学を学んでいる人間というのは、魂が熟練されているからうまいものだ。
ポケットを触ると、プラムからもらった万年筆の箱がある。
……何度でも人間界は来る。その度、セレスティアではこのユスティのがわを使うことになるだろう。こいつは金回りがいいし、この都会で人間のふりをして生きていくには不便がない。
何度だって万年筆を使う機会はある。……せっかく貰ったんだ、大切に使おう。
「助けてもらった」誰に?
「見つけることができて幸運だ」誰だ?
胸がシクリとする。
この気持ちは……やはり、上質な魂を目の前にした時の、高揚なのだろうか。僕はあいつが欲しい。