[ここからの文章は、前回の手紙と同様、不慣れながらも落ち着いた字体で綴られている。]
私は宝物に没頭していたので、手紙の最初の挨拶がありませんでした。
シトゥラがバハラルダの海の匂いを思い浮かべたように。
また、封筒の入った箱を通してエウクィから花とムスクの香りを受け取りました。
甘い香りがそよ風に変わり、ベッドの横にあるカーテンで目が覚めたらいいのにと思います。
紙の中の草の質感、草とは異なる石の硬さ、透かし彫りの花の形。
惑星エウクィは「墓地」と呼ばれることもありますが、墓地なのか可愛い花が咲く墓なのかなぁ。
なんだか、そう思いました。奇妙ですね。
(シトゥラがこの封筒を箱に入れて送ってくれたのは、古紙が貴重だからかな。私の惑星でこれほど硬くてきれいなシートは見当たりません。