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ふー……
[彼がそれを出し終える少し前には体重をかけるのもやめて、唇をゆっくりと離した。まずは唇を、最後に舌を。ぴったりくっついた粘膜が少しずつ少しずつ、名残を惜しむように別れた。
呼吸を乱されっぱなしの彼が荒い息を吐くのを、それでもどこか満たされたような顔をしているのを、引かない熱でぼんやりした瞳をして見つめていた。
……やっぱりこの男の体組織は少し変わっている。
彼の体液に触れるたび、自身の体内の鎮痛剤の成分になぜか反応して感覚が過敏になる。何故なんだろう。白いものに塗れた手を、拭く前にひとつ舐めてみたら脳が甘く痺れて、同時に首元の小さな切り傷がビリッと痛んだ。]
あ゛っ……!?
[ほんとうに痛かった。目が覚めるような痛みだった。
そんなに切っていたかと思わず傷へ手巾をやったが、小さな切り傷のまま。もう出血も止まっていて乾いた血の色が手巾に移った。
そのまま手巾で手を拭く。ソレは手首の包帯にも散っていて、彼に対して傷を隠す意味もそう無いため外してしまう。]
……?
[手首の傷を見て異変に気付いた。
先日、ふさがりかけていたのを開かれたり>>0:105、翌日には更に広げられたり>>1:-145したはずが、ふさがりかけていた時よりよくなっていた。]