……治ったか。[ 自分の力を理解している。落胆の色を、滲ませて言った。 ]何者(・・)だって…?[ 遂に、彼に>>-205真っ直ぐ問われる。眼を見詰め返すと、月の灯りを映し白い光彩を浴びるように煌めいていた。一つ息を吐き、下を向く。次に顔を上げると、暗い水の揺れるような光を湛えた眼で見返した。 ]俺は、魔物だよ。真竜(ドラゴン)だ。人の血を求めてるんだよ。[ そう言って、冷笑に似た微笑みを浮かべる。 ]