[その封筒に宛名書きはない。
現実世界にいるその相手に届けと願えば「運次第で」届くという、そんな夢と魔法のような手紙。
便箋と封筒の右下隅にはそれぞれ、ふさふさのたてがみをなびかせたレオーネくんのイラストが印刷されている。]
ツキサキ・ラナへ
[便箋の冒頭には、きちんと宛名が記されている。それはショッピングエリアで出会ったあの時>>1:117に直に聞いた名だったのかもしれないが――。
そうでなかったとすればきっと、この夢の不思議が、ラナが別の来園客に名乗っていた名>>0:325>>0:328をヘローにも自然と書かせていたのだろう。「判る筈のないことが何故か解ってしまう」――夢に誘われた者に時に起こり得る、そんな不思議。
スタッフからの来園者の個人情報漏洩があったわけでは、ない。はずだ。おそらく。]