ところであの時私は、バンドマンっぽいあの格好に反して
音楽はやっていない、などと君に話したが……。
あれからサーカスや舞台劇、賑やかな骸骨の街を楽しむうちに
自分でもたまにでも音楽をやってみようか、と思ってな。
私の祖国では“着飾る”こと自体の強制は兎も角、
着る服に合わせて音楽をやれ、なんて法律がある訳じゃない。
だからこれは本当に、自分が好きで行う趣味の話。
私は歌唱や演奏は素人だが、電子楽器の制作経験はある。
もしも君とまたこの夢の世界で会うことが叶った時に、
制作した楽器と音色の披露もできたらと夢見てしまってな。
その際はもし良かったら、君にも楽器を触って貰えたら嬉しい。