[ 捩るように離れた距離を詰められる>>-267。
月の光のように、しんと静かに彼の眼を見詰めた。 ]
これまで通り血を……?
ユスティシアン…、変わった人間だ。
[ 血を求める理由は、話さなかったのに。
逃げ場を塞がれるように寄る彼を、拒否する事も出来たはずだ。それでもしなかったのは、熱を交換した口付けや、混乱に逃げ場を探す自分をあやす様な、甘い言葉を手放せなかったから。
火傷に熱を持つ頬を、口許に寄せられる。腹立たしさの中から笑みがはみ出るように浮かぶ。
──人化の姿に戻ると、微笑みが滲んできた。 ]
俺の事、治療薬だと思ってる?
[ 舌を突き出し、彼の頬に乗せた。ゆっくり、下から上に舐め上げる。ぬち、音が出るまで何度も繰り返した。
何も変わらず暮らせる。それならば…彼の言葉を利用させて貰おう。どういうつもりで言ったのかは計り知れないが、求めるモノを貰えるなら充分だ。 ]