……!
[不貞腐れながら要求に応える彼の様子を見て、なにか大きな獣でも手懐けたような達成感を得ていたのも束の間のことだった。
人の姿のときですら力で敵わない。首根っこ押さえられて引き寄せられたら簡単にゼロ距離になる。さきほどと違って今は部屋がすこし明るいから、その瞳の色がよく見えた。]
あの、いえ……貴方が変なんじゃなくて……
これは薬のせいだと思う……から……っ、
[また発情しそうになっていることに気付かれると慌てた。実のところ、一度気をやったことによって鎮痛剤は身体から殆ど抜けているのだけれど、そのことに本人も気付いていない。
下唇を舐められると、「っう、」と声を漏らす。そのまま薄く唇を開いて侵入する舌を挟んで含んだ。更なる侵入を求めて、かるく吸って中に呼び寄せて。]
ン、んっ……
[ついさっき『もういい』と言ったくせに、身体はまったく正直で。
突き放そうとしていた手も今は背中に回ってしがみついている。]