>>-348ヤワタ
…目に見えないモノを信じないのは、分からなくもない。
それが真実だろうと嘘だろうと、どちらでも良い、が。
[髪の毛を掴んで男の顔を自分に向かせたまま呟く。
男にとって大事なモノが何であろうが、構わない様子で。]
…しかし、こうして人として言葉を投げかけられるのもいささか面倒くさい。
だから、お前の魔力を使って見せてやろう。
[笑みを浮かべ、男の髪の毛を掴んでいた手をそのまま額に当てる。
掌に魔力の滾りを受け、ピクリと震える。
その魔力を介して、己の真の姿を見せるだろう。
青い鳥である姿を。そして、鳥から人間へと変化して行く様を。
その姿を見ただけで貴方は瞬時に理解しただろう。説明など要さない。
その不可解で神秘的とも言える力の影響で。
このフェイツウェという魔物が何であるかを──。
その瞬間、自身も失くしていた感情をふと思い出した。]