夢、ですか。
[持ってしまえば、裏切られたときに苦しくなってしまうから。そう思ってしまい、目を逸らしていた言葉はいざ口にすればそれは温かな音色を宿していた。夢。そう、夢。もし、一つだけ、挙げるとするならば。]
……この村で、ずっと過ごせますように。
暖かくて優しい人達の中で、ずっと。
………そして、………貴方と隣で。
貴方と一緒に、いろんなことに触れて 一緒にこの村で過ごすこと。
[貴方と隣で生きていけたら、と。沸き上がっていた願いに、今の思いをのせて。小さな願いかもしれない。でも、私にとっては、とても大きくて大事なもので。———彼へと顔を向けながら、照れたように笑みを浮かべた。*]