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どうして誰も助けてくれないんだろう。
こんなに一生懸命に看病をしているのに、お母さんの具合は良くなる事はない。
ただ苦しみながら生き長らえているだけ。
それならいっそ終わりが来た方が、お母さんも私も楽なのかもしれない。
それでも──。
目の前の人を死なせるわけには行かない。看続けなければいけない。
そうするのが人間として正しいのだから。
そう思いながら、毎日を生きていた。
けど、あっけなくそれも終わりを迎えた。
私の意志とは関係なく、奴隷のように買われて行ったから。
たった一人残された病人に、大量の金貨が何の役に立つのか。
おそらく母は直ぐに死んでしまうだろう。
それが母にとって幸せなのか不幸なのか分からない。