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生活は変わった。
食べたことのないような食事を与えられ、見たこともない宝石やドレスで飾られ、そして求められるままにこの身で奉仕をする。
自分がどう思おうが関係なく、そうしなければならなかったから。
私に自由はない。飼われる存在で。籠の中の鳥だ。
言う事を聞いて、美しく在ればそれで問題はない。
それで生きて行けるのなら。
そう思っていた。
しかし、心の片隅には暗澹たる思いが在った。
病気の母を疎ましく思っていた自分が嫌いだ。
それを表に出さずに綺麗事を言っていた自分が嫌いだ。
言いなりになって、動物の様に生きている自分が嫌いだ。
何も変えられない、変えようとしない自分が嫌いだ。
私は私が嫌いなのだ──。