愛する人がいました。愛した人がいました。
無口で自分の気持ちをうまく話すことができない、
不器用な方でしたけれど、それでも確かに私を愛してくれました。
休みの日になると、一緒によくお料理をしました。
彼も大好きなアップルパイを焼いて、
砂糖たっぷりのコーヒーと、
無口なブラックコーヒーを淹れて
共に甘いお味をともに楽しみました。
おでかけをする日もありました。
体が弱い私はとおくまではいけなかったけど。
何気ない散歩で幸せを見つけました。
決して裕福ではなかったけれど。
それでも私は、私達は幸せでした。