『 絵が好きだ。 頭の中を泳ぐ何かが指先から溢れて形になると安心した。水が抜けて、こころが地について。目からまた水が飛び込んできて、流されそうになって。その繰り返し。 昔、母にこの話をしたらよく分からないという顔をされた。それ以来誰にも話していない。』[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]