"…………ありがとう。あなた。 けど、けどね。私は産みたいの。産んであげたいの。"[…だというのに、私は、わがままを突き通したのです。あの人が傷つく結果になるかもしれないとわかっていてなお……二人の愛の証を、せっかく宿った魂の灯火を消したくはなかったのです] "今も鼓動が聞こえてくるの。小さな小さな命の鼓動が。 私達と生きたいと願ってくれている、小さな命が たしかに、たしかにここにあるの。" "……だからね、あなた。 これが私の人生で、たった一度のお願い。"