[行平さん。映画の中では、松本先生。
ちょっとくたびれた感じの美術の先生役だったのだが、今の彼はスーツを着こなし、そんな面影はほぼほぼない。
こうなると、やはりひしひしと俳優オーラを感じてしまい、ちょっと気後れしてしまう。
とはいえ同じ時間を過ごした共演者だ。
少しくらいは対等に話をしてみたい。]
ええ、行平さんもお疲れ様でした。
撮影の時と全然雰囲気が違って、やっぱり俳優さんですね。
ホテルはそうですね、改装したんです。
駅前で昔からあるホテルなんですけど、少し前に全面改装して、本当に綺麗になりました。
[俳優を"行平さん"と呼ぶことが既に恐れ多い感じがする。
けれども、話し始めてみれば、何となく、松本先生と話している気持ちにもなってくる。]