─舞台裏/梅雨・放送準備室 NGシーン─
[>>*45とんでもない、と首をふるふる横に振った。
自分はいつもほぼ1人でやるものだから、誰かと一緒になれないことをやると引っ張られる。
うまく演技ができていたのだとしたら、それは周りに影響されてより没頭できた証だろう。
…と、思うものの言葉にできない。
今は、この未熟者は、自分のやらなければならないことに必死なのだ。
だから演技の先達の気遣いをありがたく思いながら、心をほぐして仮面を付け直す。
仮面をつけることだけは、多分、得意なのだ。
そして演技を終えて一息つく。
女子トイレから出てくると目の前に>>*46男子がいる光景は、ちょっと油断していた私には驚いてしまうものだった。
びっくー!と大袈裟に体が跳ねてしまったが、へらっと笑う。]