[少しだけ、視線を漂わせ。何かを言おうとする。と、その沈黙を破る勢いで彼女は話し出した。>>*26松本が語った話。つまり、離婚について。記者などは面白がる話を彼女はーー真摯な態度で聞き、そして。考え抜いた言葉を必死に松本に投げ掛けてくれる。その真っ直ぐさがーー行平の胸に響く。先程躊躇った言葉がもう一度、行平の脳裏を過った]……そう、ですね。恥じる事ではない。夫婦という関係は終わりましたが、彼女は今大切な友人ですし。ーーありがとうございます、姫野さん。……あのう、それで。